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第116回 県立波戸岬少年自然の家(2015年12月28日掲載)

●●広がる わたしたちのエコ活動●● vol.8

 地球温暖化や生態系の保護、ゴミの排出削減など、環境問題を解決するためには、継続した取り組みが必要です。環境保全活動の事例を通年でお伝えしてきた「エコライフ・エコライブさが」は、10年目を迎えました。節目となる今回のシリーズでは、これまで本企画で取り上げてきた身近なエコ活動、行政や企業の動きを中心に再びスポットをあて、地道な活動の広がりや周囲の人たちの意識の高まりを紹介します。

●●●環境意識根づく契機に●●●/●●●家族のふれあいも●●●

 

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電動カートに乗り、歓声を上げる「未来のエネルギー広場」の参加者=12月6日、玄海町次世代エネルギーパーク「あすぴあ」

 「おもしろい」「こうやって動くんだ」。目と鼻の先に玄海原子力発電所、風力発電のプロペラを臨む東松浦郡玄海町の次世代エネルギーパーク「あすぴあ」で、モーターとバッテリーで動く電動カートのハンドルを握る子どもたちから歓声があがった。県立波戸岬少年自然の家(唐津市鎮西町)が1泊2日の日程で毎年企画している主催事業「未来のエネルギー広場」での一幕だ。
 子どもたちがエネルギーに触れ、環境について考えてもらおうと2004年度から毎年実施しており、12回目を迎えた。5、6日に開いたエネルギー広場には、唐津市のほか、佐賀市や小城市、みやき町などから訪れた小学3年から中学2年までの35人が参加した。
 参加者は電動カートのほか、静電気の実験や揚力を学ぶ紙トンボの製作、虫の目線で自然の営みや地球上のエネルギーを天井に映し出す「アースラボ」を体験した。友人と参加した西唐津小4年の山村花恋さん(10)は「(電動カートは)ふわふわして気持ちよかった。もっと静電気の実験をしてみたい」と目を輝かせていた。

 

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子どもたちは、虫の目線で自然の営みや地球上のエネルギーを天井に映し出す「アースラボ」も体験した=玄海町次世代エネルギーパーク「あすぴあ」

●●今年はバルーン教室開催●●

 1999年4月に開館した波戸岬少年自然の家はカッターボートによる海洋訓練の体験ができる、県内初の海浜型研修施設だ。次世代を担う青少年の環境意識啓発を進めようと県は2004年に太陽光発電と風力発電の施設を整備。これを機に、宿泊体験事業の中で環境に関する講座を始めた。
 開始当初は「自然エネルギー教室」と題し、近隣の小学生を招いた講義形式が主だった。太陽光を集めて調理する実験機器で目玉焼きを作ったり、施設の電力の一部を賄っている風車を見学したりしていたが、2011年度は参加者が8人に減少。体験型のプログラムを充実させ、徐々に参加者数は持ち直してきている。
 今年は、唐津の子どもたちに熱気球に触れてもらおうと、北陵高校バルーン部の協力を受け、バルーン教室を開催。ミニバルーンも製作し、熱の力を肌で感じた。イベントを担当した少年自然の家の職員、樋渡健人さん(25)=武雄市=は「子どもたちに最初に省エネと言っても分からない。『なぜ』という疑問を抱き、環境への学びにつなげてもらえたら」とプログラムの趣旨を語る。

●●鳥栖市は出前授業で浸透●●

 

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バルーンの球皮体験で、記念撮影に収まる参加者と少年自然の家の職員=12月5日、唐津市鎮西町の県立波戸岬少年自然の家(提供写真)

 エネルギー広場では、参加者同士はもちろん、職員もあだ名で呼び合い、距離を縮める。少年自然の家の小島修所長(65)は「親元を離れた生活体験もさせたい」と話す。初対面の他人との付き合い、年が違う同世代との団体行動、協力しての夕飯づくりなど家庭や学校では味わえない経験ができるのも、イベントの魅力だ。
 12年間でのべ736人が参加した。今回で自然の家主催事業への参加が11回目という熱心なファンもいる一方、半数以上は新規の応募で、広がりも見せている。「工作などを通じ、自然の力を感じてもらえることが大切」と小島所長。玄界灘に面した絶好のロケーションで、次代を担う子どもたちに環境を考える機会を提供し続けている。

 

 

 

●●●●プレイバック●●●●

●●●太陽光で目玉焼き●●●

 

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 2007年8月31日付の紙面では、県立波戸岬少年自然の家が開いた「自然エネルギー教室」(現・未来のエネルギー広場)を取り上げた。じりじりと照りつける日差しの中、参加者は太陽光や風力などのエネルギーに見て、触れて、興味津々の様子だった。
 唐津市や佐賀市の小学2年から6年まで小学生17人が参加した。午前中は30分ほどの座学で、地球温暖化やエネルギーについて漫画で紹介した資料で学んだ。
 グラウンドでは、太陽光を集めて調理する実験機器パラボラ式クッカーで目玉焼きに挑戦、こどもたちは「僕はできると思うよ」「いいや、できないよ」などと予想した。また、自然の家の電力の一部を供給している風力発電や太陽光発電システムを見学。高さ26メートルの風車を見上げたり、熱を持った42枚の太陽光パネルに触れたりして、自然の力を体感していた。

 

【MEMO】 カッターボート体験

 波戸岬少年自然の家では、救命艇、連絡艇として使用されるカッターボート体験ができる。対象は小学5年生以上で、開催時期は4~10月。25人乗りのボートを使用する。唐津海上技術学校OBが指導員を務め、1時間ほど練習するプログラムで、練習後は自力で浮桟橋まで戻る。20日前までの申し込みが必要。
 自然の家は体育館に研修室、宿泊室、芝生広場に野外炊飯場所といった施設が充実しており、部活動の合宿などで使用されている。昨年度は691団体のべ68,834人が利用。本年度は利用者数が7万人を突破する見込みという。

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