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第117回 エコチャレンジシート(2016年1月29日掲載)

●●広がる わたしたちのエコ活動●● vol.9

 地球温暖化や生態系の保護、ゴミの排出削減など、環境問題を解決するためには、継続した取り組みが必要です。環境保全活動の事例を通年でお伝えしてきた「エコライフ・エコライブさが」は、10年目を迎えました。節目となる今回のシリーズでは、これまで本企画で取り上げてきた身近なエコ活動、行政や企業の動きを中心に再びスポットをあて、地道な活動の広がりや周囲の人たちの意識の高まりを紹介します。

●●●環境意識根づく契機に●●●/●●●家族のふれあいも●●●

 

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冬休みに、エコチャレンジシートに取り組んだ谷口美音さん。母智美さんとの会話も弾んだ=鳥栖市弥生が丘

 「エコドライブ、ちゃんとしとるー?」。鳥栖市の弥生が丘小4年谷口美音さん(10)が、父忠さん(44)や母智美さん(39)の運転で出掛けているときの口癖だ。家庭でのCO2排出量削減に挑戦する課題「エコチャレンジシート」に取り組み、加速減速の少ない運転でガソリンの消費を抑えられ、環境に優しいことを初めて知った。「お母さんは完璧だけどお父さんは急にスピード出したりすることもある」と手厳しい。
 佐賀県の事業として、毎年夏休みと冬休みに、県内の小学4年生に配られるエコチャレンジシート。「大人の人にエコドライブをしてもらった」「暖房の設定温度を20℃にした」など、家庭生活でガソリンや電気の使用量を抑える7項目があり、達成できたら1日ごとに星マークを1個ずつ塗りつぶしていく。
 各項目では、節電・節約の効果として、1年換算で節約できる金額とCO2の削減量を明示。また、取り組んだ結果を事務局に提出すると参加賞としてエコグッズをもらえたり、抽選で図書カードが当たるなど小学生が取り組みたくなるような趣向を凝らしている。
 

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2015年度冬版のエコチャレンジシート

 

 

 

 

●●マイナーチェンジも●●

 エコチャレンジの事業は、環境意識づくりの一環として県から委託を受けた佐賀県地球温暖化防止活動推進センターが2008年からとりまとめている。昨年度は夏、冬合わせてのべ6,868人の小学生が参加。シートの細かなマイナーチェンジも子どもたちにウケている一因のようだ。
 「○△×」の書き込みから塗り絵に記入方法を簡略化したり、独自のキャラクター「エコモン」をシートに登場させたり。昨年度は参加賞や特別賞を分かりやすくPR。スタッフが参加賞を配るため直接学校をまわるなどきめ細かい”営業活動”のかいもあり、全校児童分のシートがほしいといった追加送付の要望も複数寄せられた。

●●鳥栖市は出前授業で浸透●●

 

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鳥栖市の環境対策課職員が実施した出前授業の様子=昨年10月7日、鳥栖市の旭小(鳥栖市提供)

 環境教育の貴重な機会ととらえ、シート活用を呼びかけている自治体もある。鳥栖市は2011年度から市内8校の小学4年生を対象に出前授業を実施。本年度は昨年10、11月に市環境対策課職員が各校をまわり、計769人に地球温暖化を食い止める行動を考えてもらった。
 自分でできることを実践する大切さを説いた南米アンデス地方の説話『ハチドリのしずく』を題材にしたり、国内で排出される食品ロス(食べられるのに廃棄されている物)が年間500~800万トンに上り、25メートルプール1万杯分に相当することなどを伝えたりして意識喚起に努める。初めて説明してまわった同課の牟田陽平さん(26)は「ぱっと答えられない質問も出る」と子どもの反応のよさに驚く。
 事業を担当する推進センター事務局の徳永紘一朗さん(35)は「回収したシートから家族のやりとりも想像できるのがうれしい」と語る。以前寄せられたシートが印象に残る。参加した児童が祖父にエコドライブしてと言うと、「そんなことせんでいい」と言われた。それでも「『おじいちゃん、それではいけない』と伝えました」と書かれていたという。
 本年度の冬休み分のシートは、29日が応募締切で、2月下旬には集計結果をまとめる予定だ。活動のさらなる広がりに期待し、参加者数が気になる徳永さん。同じくらいに、報告書の感想記入欄も楽しみにしている。

●●●●プレイバック●●●●

●●●エコドライブ講習会●●●

 

2011年2月28日紙面.jpg

 2011年2月28日付の紙面では、家庭で節電や節水など地球温暖化防止に取り組んでもらうために始まった、エコチャレンジシートを取り上げた。開始3年目となった2010年夏は県内から1061人の応募があり、そのうち鳥栖市から656人が提出した。
 当時は、9月初旬から1カ月かけ、鳥栖市環境対策課の職員3人が、導入したばかりの電気自動車に乗り込み、市内全8小学校を巡回。結果は小学校ごとに集計し、鳥栖小には「二酸化炭素を526キロ減らすことに成功!サッカーボールにたとえると5万2558個分!」などとそれぞれの学校に結果速報を届けた。
 感想では、「小さな積み重ねが繰り返す」と決意をつづった子もいれば、「私の家では、ひとつの部屋に家族が集まることはあまりないから、ひとつの部屋に集まることも電気の節約になるんだと思いました…」と家族のあり方を考えた児童もいたという。

 

【MEMO】 昨年夏は応募総数2754人

 小学生に広がりつつあるエコチャレンジシート。昨年の夏休み分は2754人からの応募があった。冬休みも県内全ての100以上の小学校にシートを配布し、参加を呼びかけた。
 以前は、テレビの口を持つカエル「テレケロン」、鼻が水道の蛇口になっている「水ゾウ」といったキャラクター「エコモン」が登場したことも。塗りつぶす空欄が、「LV1、2、…」とレベルが上がるようになっていて、ゲーム要素も盛り込んでいた。参加賞も紙の余白を再利用したメモ用紙、リサイクル紙でできた色鉛筆など、毎回種類を変えている。

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