佐賀新聞紙面特集

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第118回 エコドライブ(2016年2月29日掲載)

●●広がる わたしたちのエコ活動●● vol.10

 地球温暖化や生態系の保護、ゴミの排出削減など、環境問題を解決するためには、継続した取り組みが必要です。環境保全活動の事例を通年でお伝えしてきた「エコライフ・エコライブさが」は、10年目を迎えました。節目となる今回のシリーズでは、これまで本企画で取り上げてきた身近なエコ活動、行政や企業の動きを中心に再びスポットをあて、地道な活動の広がりや周囲の人たちの意識の高まりを紹介します。

●●●市民、事業所にじわり浸透●●●/●●●「時間、気持ちのゆとり鍵」●●●

 

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エコドライブでは、燃費を向上させる「やさしい発進」や、加速・減速が少ない運転などが求められる

 「妻が運転するとき、『ゆっくりブレーキね』『車間距離あけてよ』と助手席から言ってしまいますね」。勤務先のリコージャパン佐賀支社(佐賀市)がエコドライブなどの環境活動に力を入れていることもあり、佐賀市の江原誠さん(46)は家族の運転の仕方も気になる。
 車間距離は4~5メートルあける、急発進や急ブレーキといった「急」がつく操作をしない、時間に間に合わない場合は先方に連絡して無理な運転はしない―。江原さんがハンドルを握る際に心がけていることだ。総務部門に所属するため毎日社用車に乗るわけではないが、商品を積んで2トントラックを運転し、唐津や伊万里の営業所をまわることもある。
 

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減速時は早めにアクセルを離す。エンジンブレーキが作動すると、2%程度燃費が改善するという

●●京都議定書機に推進●●

 エコドライブは環境省、経産省などが協力し、普及推進を図っている。CO2など温室効果ガスの排出削減目標を定めた京都議定書を受け、2003年に「エコドライブ普及連絡会」を設立し、効果指標の確定や啓発活動に取り組んできた。
 佐賀県も国の動きに合わせ、議定書が定めた目標期間開始の2008年度からはエコドライブ講習会を始めた。10年度から5年間行った事業所向けの講習会には、のべ105事業所500人以上が参加。本年度は初めて「エコドライブコンテスト」を実施し、業務時や日常生活での運転を見直してもらった。
 コンテストを担当した県環境課の田中千絵さん(24)はエコドライブの考え方が浸透しつつあるのを実感している。一般部門のコンテストの参加者は加速の強弱といった走行データを、波形として確認。田中さんは「自分の運転の状況が目に見えるので参加者の反応がよかった」と振り返る。

●●データ管理や相乗り推奨●●

 

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第1回佐賀県「エコドライブコンテスト2015」(事業所部門)で入賞した事業所の代表者=12日、県庁

 事業所部門では、参加16団体が2カ月間実践した取り組みを書類で提出した。最優秀賞のリコージャパン佐賀支社は各社用車ごとに、毎日走行距離と燃費をデータベースに入力し、厳密に管理。車両に不要な資材を積んでいないかを月1回チェックするなどして、前の2カ月間と比べて13%の燃費削減率を達成した。
 優秀賞を受賞したセリタ建設(武雄市)はエコドライブの成果を社内で共有したほか、同じエリアへの仕事では相乗りを推奨している。また、介護事業を営む太陽(みやき町)は細かく車両の運行日誌をつけているなど、エコドライブの意識が安全運転につながり、職員の業務中の無事故無違反が続いているという。環境への意識はもちろんだが、コスト削減という側面も、企業のエコドライブへの取り組みを後押しする。
 とはいえ、ドライバーの意識一つで変わる運転の仕方。日ごろからエコドライブを実践するのは容易ではない。40分かけて車通勤する田中さんは「大事なのは時間と気持ちの余裕。個人的にはガソリンを入れる頻度が上がると、よりエコドライブへのモチベーションは上がりますね」。環境への配慮、燃費の向上、安全運転など、それぞれが意義ある目標を見い出すと、一層エコドライブが普及するかもしれない。

 

エコドライブ10のすすめ
(出典:エコドライブ普及推進協議会ホームページ)

1、ふんわりアクセル「eスタート」
2、車間距離にゆとりをもって、加速・減速の少ない運転
3、減速時は早めにアクセルを離そう
4、エアコンの使用は適切に
5、ムダなアイドリングはやめよう
6、渋滞を避け、余裕をもって出発しよう
7、タイヤの空気圧から始める点検・整備
8、不要な荷物はおろそう
9、走行の妨げとなる駐車はやめよう
10、自分の燃費を把握しよう

●●●●プレイバック●●●●

●●●エコドライブ講習会●●●

 

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 2008年6月30日付の紙面では、当時佐賀県が初めて県民向けに開いたエコドライブ講習会を取り上げた。3カ所の自動車学校で開催、参加者は教習コースでの実習に免許取得のころを思い出したのか、少し緊張した面持ちでハンドルを握った。
 最初に、参加者が普段どおりの運転をして燃費を測定。講義でエコドライブの具体的な方法を学んだ後、実際にどのくらい燃費が向上するかを走行実習で試した。日本自動車連盟(JAF)佐賀支部の担当者から、運転姿勢や「ふんわりアクセル」と呼ばれる発信の仕方などを教わった。
 唐津市の講習会では燃費が向上した人は全体の半数にとどまったが、短い距離の実践でも効果が出たことに納得した様子だった。週2、3回車に乗るという男性は「ふんわりアクセルのほかにもやれることがたくさんあると思った」と感心していたという。

 

【MEMO】 発進「5秒で時速20キロ」目安

 車の燃料消費を抑えることで排出するCO2を減らす、環境に配慮した運転術「エコドライブ」。ちょっと運転の仕方を変えるだけで燃費を抑えられ、節約にもつながる。発進するときに穏やかにアクセルを踏むと、10%程度燃費が改善する(目安は最初の5秒で時速20キロ程度)。
 無駄なアイドリングを控えても効果はある。10分間のアイドリング(エアコンオフ時)で130ccほどの燃料を消費してしまう。また、不要な荷物も燃費に影響を及ぼす。100キロの荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化するという。

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