佐賀新聞紙面特集

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第119回 自転車通勤のススメ(2016年3月31日掲載)

●●広がる わたしたちのエコ活動●● vol.11

 地球温暖化や生態系の保護、ゴミの排出削減など、環境問題を解決するためには、継続した取り組みが必要です。環境保全活動の事例を通年でお伝えしてきた「エコライフ・エコライブさが」は、10年目を迎えました。節目となる今回のシリーズでは、これまで本企画で取り上げてきた身近なエコ活動、行政や企業の動きを中心に再びスポットをあて、地道な活動の広がりや周囲の人たちの意識の高まりを紹介します。

●●●家計、体、環境に優しい●●●/●●●スポーツ用、女性利用者増●●●

 

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出勤時、軽快にペダルをこぐ冨永さん。軽量化のため、ブレーキやギアなどは自分でパーツ交換している=佐賀市川副町

 「特に市街地では、渋滞した車をすいすい抜いちゃうんで気持ちいいですよ」。爽やかにそう話す佐賀市職員冨永康紘さん(29)=同市川副町=の自転車通勤歴は6年、愛車はスポーツタイプの黒い自転車だ。自宅から市役所まで片道7・5キロ、時間にして約20分、春の陽気で汗ばみながら無心でペダルをこいでいる。
 冨永さんが自転車での通勤を始めたきっかけは、節約し結婚資金をためるためだった。それまでマイカー通勤だったため、自転車に切り替えて月々の駐車代が浮くほか、ガソリン代も半額ほどに。今では休みに、補助輪付き自転車に乗り出した長男珠智くん(4)と家の回りを”ツーリング”して楽しんでいる。
 佐賀平野を中心に平たんな道が多いといった地理的要因に加え、経済性、健康志向、環境意識の高まりにより、県民生活の足として広く浸透してきた自転車。比較的安価で根強い人気を誇る「ママチャリ」(婦人用軽快車)のほか、最近では、自転車ロードレースに青春をかける男子高校生の奮闘を描いた漫画のヒットも追い風となり、スポーツタイプを買い求める人も増えている。
 

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青、赤、緑など色とりどりのスポーツタイプ自転車=佐賀市栄町の「セキモトサイクル」

●●見た目のかわいさも追求●●

 ロードバイクを専門に販売する自転車店経営小辨野司さん(72)は「ここ2、3年はファッション感覚で購入を希望する20代の女性が増えてきてます」と語る。淡い色のフレームを選んだり、オリジナルのかごを取り付けたりするという。
 同店によると、通勤用では、舗装道路などで高速走行するのに向くロードバイクと未舗装路を走るのに適したマウンテンバイク両方の長所を組み合わせた「クロスバイク」が主流。価格帯は5~10万円の商品が売れ筋という。
 「スポーツタイプに乗る女性は10年前と比べると1・2倍くらいになっているかな」と感触を話すのは、老舗自転車店の代表関本憲二さん(53)。フレームに加え、ライト、鍵、カゴなどの色や形にこだわり、見た目のかわいさを追求している女性が多いという。

●●メンテナンスも大事●●

 

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グリップ、ハンドルバーのテープ、テープをとめるキャップなどパーツのカラーバリエーションも豊富だ=佐賀市松原の「サイクルショップツカサ」

 自転車を購入する場合は、フレームや車輪のサイズが体に合っているかの確認を。スポーツタイプの場合、小辨野さんは「足裏の親指と小指それぞれの付け根を結んだラインがペダルの軸に来ると一番快適で走りやすい」とアドバイスする。
 また、日々の手入れも大切。関本さんによると、クロスバイクでは、1~2週間に1回は空気を入れた方が快適に乗れるという。タイヤの空気入れをこまかにチェックすること、定期的にフレームを磨くこと、チェーンなどさび防止のため油を差すことの3点は、「自転車を気持ちよく乗るための三大要素」と力を込める。
 「通勤に使うことで毎日乗らなければいけないという強制力が生まれ、体形維持にもつながります」と冨永さん。運動不足が気がかりだったプログラマーの兄は、冨永さんのすすめで昨年末から自転車通勤を始めた。
 職場が替わったり、同僚の顔ぶれが替わったりと気持ちもあらたまる4月。愛車を求め、自転車店を訪れてみるのもいいかもしれない。

●●●●プレイバック●●●●

●●●自転車プレゼント企画も●●●

 

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  2011年8月31日付の紙面では、マイカーのガソリン代、バスなど公共交通機関の運賃を節約する手段として存在価値を高めている自転車での通勤を取り上げた。ライフスタイルの多様化にあわせ、通勤向けを中心に機能性やファッション性に優れた自転車、関連用品も充実してきた。
 自転車店代表、関本憲二さんの先代で父の優さんは長年、環境にやさしい「バイコロジー」を掲げた自転車普及活動に取り組んできた。1997年には、当時理事長を務めていた県自転車二輪車商協同組合で自転車プレゼント企画を考案。マイカー通勤から切り替える人を対象に自転車20台を贈呈した。
 自転車通勤の広がりを受け、優さんは「昔は、自転車は貧乏人が乗るものと見られたこともあった。環境と健康のためという訴えを何十年と続け、浸透するのにずいぶん時間がかかった」と感慨深げに語っていた。

 

【MEMO】 危険な運転は御法度

 免許なしで手軽に乗れる自転車。ただ、近年、自転車事故による被害が深刻化しており、悪質な運転への罰則を強化した改正道路交通法が昨年6月に施行された。14項目の「危険行為」で3年間に2回以上摘発されれば、安全講習が義務づけられるようになった。
 酒酔い運転や信号無視はもちろん、運転中の携帯電話使用や傘差し、イヤホンで音楽などを聴きながら事故を起こした場合も「危険行為」に含まれる。安全講習の対象となるのは14歳以上。快適な自転車通勤にするため、マナーやルールを守ってハンドルを握る必要がある。

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