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第124回 えこいく~佐賀環境フォーラム環境教育班(2016年8月30日掲載)

●●芽生えたエコの輪をもっと大きく●● vol.4

 日々の暮らしの中で環境を守ることは、私たちの役割でもあります。地球規模での保全も、まずは一人一人の行動から始まります。今回で11年目を迎える「エコライフ・エコライブさが」。昨年度に続き、これまで取り上げてきた活動を振り返り、意識の高まりを紹介し、さらにその輪を広げていきます。

●●●体験通して関心高める●●●/●●●生き物観察で環境問題学ぶ●●●

 

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「チリメンモンスター教室」で珍種のタツノオトシゴを見つけて喜ぶ参加者と「えこいく」メンバー=佐賀市呉服元町の「わいわい!!コンテナ2」


 トレーに盛られている200グラムのちりめんじゃこの山。子どもたちが目を凝らしながら割り箸で1センチ前後の海産物を探している。目当ては、ちりめんじゃこに混じっている「チリメンモンスター」と呼ばれる稚魚やエビなど。佐賀市内で環境教育を行っているグループ「えこいく」のイベントでの一場面だ。
 「チリメンモンスター教室」と名付けられたイベントは20日、佐賀市呉服元町の「わいわい!!コンテナ2」で開かれた。事前に同施設や幼稚園・保育園などにチラシを配布した成果もあり、この日は15人の親子が参加した。
 リーダーで、佐賀大農学部2年の堤悠一郎さん(20)が「タツノオトシゴは珍しい生物だから、見つけたら教えてね」と呼び掛けると、10分後には「あったよ」と叫ぶ参加者。手のひらに乗せた約1センチのタツノオトシゴを誇らしげに他の参加者に見せていた。親子で海洋生物の多様性を学ぶ目的で開催された会場には、和気あいあいとした雰囲気が漂っていた。
 

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スズムシの観察会を開いた「えこいく」メンバー=佐賀市本庄町の佐賀大本庄キャンパス

●●幼児期からの学び大切●●

 「えこいく」は佐賀大の学生や一般市民らが受講する「佐賀環境フォーラム」の中のワークショップの1つ、環境教育班のチーム名で、「エコ」と「教育」の「育(いく)」を組み合わせている。2007年に立ち上げ、現在は佐賀大生11人、科目履修生6人、大学教授1人、一般市民4人の計22人で活動している。
 目的は、幼児のころから自然や環境の大切さを知ることにより、思いやりの心を持つ大人になってもらうこと。加えて、子どもの気づきを通じて、家庭内で大人も自然や環境を学ぶことを掲げている。
 「チリメンモンスター教室」の前日夜には、佐賀大の本庄キャンパスで「すずむしのおんがくかい」というイベントも実施。メンバー手作りのイラスト冊子を使って、親子連れがスズムシの一生を学んだ後、学内のビオトープで鳴き声を頼りに、暗がりの中でスズムシ探しに挑戦した。堤さんは「五感を通して自然を学ぶきっかけにしてほしい」と、参加者に環境を守ろうという意識が芽生えることを期待していた。

●●参加者募集に力注ぐ●●

 

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「えこいく」メンバーが作成したスズムシのイラスト冊子

 活動は10年目を迎えた。設立当初からのメンバーの秋山翔太郎さん(30)は「最近は、自分たちで企画して参加者を募集するというイベントを始めた。年々レベルアップしていると思う」と話す。スズムシの観察会は、過去2年の参加者が1桁にとどまったが、今回は広報活動に力を入れ、関係施設や幼稚園・保育園にチラシを配布し、18人が参加。多くの市民を巻き込みたいという思いが、徐々に浸透しつつある。
 今後は9月に環境カルタ大会を予定し、11月のさが環境フェスティバル(県立森林公園)への出展準備を進める。「えこいく」の活動は、大学生メンバーにとって大きな社会参画になっている。堤さんは活動を通して、「自分たち学生も地域に目が向くようになり、地域の皆さんの環境意識も高まってきている」と手応えをつかんでいる。

 

●●●●プレイバック●●●●

●●●幼児に伝える環境教育●●●

 

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 「えこいく」がこの企画紙面に登場したのは2014年1月30日付。「子どもたちに親しんでもらいたい」と「えこいく」の愛称を使い始めたばかりのころだった。
 当時は保育園や幼稚園、公民館などで出張教室を開き、環境の大切さを物語にした紙芝居やごみ分別ゲームを通して、幼児期からの環境教育に取り組んできた。中心メンバーが佐賀大で環境を専門的に学ぶ学生だったこともあり、地球温暖化という難しいテーマをかみくだいて、わかりやすく伝える工夫に力を注いでいた。
 大学生が主体の活動は、卒業や入学で年々メンバーが入れ替わり、その時々の「カラー」が際だつ面白さがある。今年は「チリメンモンスター教室」や「すずむしのおんがくかい」など、イベント色を強め、大人も子どもも一緒に、環境への関心を高める場づくりへとシフトしている。

 

【MEMO】 エコさが基金を活用

 「えこいく」による夏の2大イベント「すずむしのおんがくかい」「チリメンモンスター教室」を開催したきっかけになったのが、エコさが基金の助成を受けたことだった。「資金に余裕ができて、活動の幅が広がった」と代表の堤さん。6月の贈呈式の場では他の団体同士が連携して新たな動きを模索しようという機運も生まれた。エコさが基金は佐賀新聞社と佐賀未来創造基金が、さまざまな環境活動に取り組んでいる団体を毎年4~5月に公募し、助成団体を決定している。

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