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第128回 クリーンの環(2016年12月29日掲載)

●●芽生えたエコの輪をもっと大きく●● vol.8

 日々の暮らしの中で環境を守ることは、私たちの役割でもあります。地球規模での保全も、まずは一人一人の行動から始まります。今回で11年目を迎える「エコライフ・エコライブさが」。昨年度に続き、これまで取り上げてきた活動を振り返り、意識の高まりを紹介し、さらにその輪を広げていきます。

●●●リサイクル品を橋渡し●●●/●●●「生かす」機運を高める●●●

 

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今年で7回目の開催となったエコ屋「つどい」=11月、伊万里市の仲町観音通り

 今年も10月30日~11月27日の約1カ月間、伊万里市の仲町観音通りに「環境にやさしい」ショップが登場した。エコ屋「つどい」。2010年から毎年期間限定でオープンし、家庭で使わなくなった生活用品などを販売すると同時に、環境を守る大切さを訴えている。
 商店街の空き店舗を利用したスペースには、陶磁器や雑貨などがテーブルの上や床にびっしりと並ぶ。市民から不用品を無償で預かり、10~1000円程度で売っている。
 運営しているのは、環境活動に取り組む市民グループ「クリーンの環(わ)」。生ごみを堆肥化して資源を循環させる「伊万里はちがめプラン」を支援する組織として、01年に発足した。現在の会員は約50人。エコ屋「つどい」以外にも、子どもたち向けに自主制作した絵本や紙芝居、パネルシアターなどを使って、ものを大事にすることが環境を守ることにつながるということを伝えている。
 

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子どもたちの環境教育用に使用する紙芝居、パネルシアター、絵本

●●「見える化」で より分かりやすく●●

 エコ屋「つどい」は今回で7回目の開催。毎年ノウハウを蓄積し、リサイクル品の販売にとどまらず、エコ運動の情報発信基地としての役割も担ってきた。毎年、期間中に約1000人が来店するという。
 発足時からのメンバーの1人、渡邉きよめさん(67)は「ちょっと汚れたシーツでも使えそうなら買ってもらえるなど、市民のエコ意識は上がっている」。捨てずに生かす文化づくりを活動の主眼に置いており、消費者の「変化」を肌で感じる場になっている。
 一方で子どもたちへの環境教育も熱心だ。年10回程度小学校、幼稚園・保育園などを訪れて、先生役を務めている。代表の吉冨宏美さん(50)は「子どもたちに環境教育をすると、今度は子どもたちが家庭で親に教えてくれる」と話す。道具類は手作りのものが多く、メンバーが手分けして自宅に保管。少しでも長く活用できるように毎回大事に使用している。

●●活動まとめて 市民に提言を●●

 

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小学生の前で絵本の読み聞かせをするメンバー=9月、伊万里市の二里小

 今年注目したのは、伊万里市内にある県西部4市5町のごみ処理施設「さが西部クリーンセンター」。1月に稼働したばかりで、メンバーたちは自分たちのごみの行方を探ろうと、早速現地を見学した。1日最大205トンの処理能力を持つ最新の焼却施設であるガス化溶融炉などを見て、便利さを感じつつも、何でも燃やしてしまえばいいという意識ではなく、資源を循環させて、ごみを出さない活動をさらに進めていく必要性を感じた。
 「クリーンの環」は発足から15年目を迎えた。吉冨さんは「これまでの活動を提言にまとめ、伊万里のまちにもっと広めていきたい」と展望を語る。「一人の100歩より、100人の一歩」を強調し、「みんなで環境問題を考え、より良いものを子どもたちに残していく」と誓っている。

 

●●●●プレイバック●●●●

●●●環境問題をより身近に●●●

 

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 「クリーンの環」は2009年5月31日付で掲載した。当時は「緑のカーテン」づくりに力を入れていた時期。ゴーヤーの苗をプランターに植え、伊万里市内の公共施設などに配った。その後、活動の内容は多岐にわたり、生ごみの資源化のほか、手作り絵本や紙芝居を子どもたちに見せている。環境問題をより身近に感じてもらう狙いだ。
 メンバーたちは掲載当時からこれまでを振り返り、「なるべく負担を軽くするために代表は1年で交代してきた。みんなの力を寄せ集めたので活動を続けられた」と胸を張る。現在もそれぞれ家事や仕事に多忙な生活を送っており、「なかなか予定が合わなくて、会員が集まれるのは不定期」という。それでも「毎日の生活の中で無理なく」をモットーに、日々、自分たちができることに力を入れている。

 

【MEMO】 手軽に見られる「ごみ便利帳」

 「クリーンの環」の活動の1つに、今年3月に作成した「ごみ便利帳」がある。伊万里市が各家庭に配布している「ごみ分別と出し方・収集日一覧表」は、A3用紙の両面に印刷。台所の冷蔵庫に貼ると片面しか見えないため、そのデメリットを改良し、6枚つづりのコンパクトなサイズのハンドブックにまとめた。料理中のぬれた手でも触れるようにと、ラミネートフィルムでとじている。「ごみ便利帳」は2015年のエコさが基金の助成金で作成。メンバーたちは、「今後多くの市民に広めていければ」と考えている。

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