佐賀新聞紙面特集

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第129回 唐津環境防災推進機構KANNE(2017年1月29日掲載)

●●芽生えたエコの輪をもっと大きく●● vol.9

 日々の暮らしの中で環境を守ることは、私たちの役割でもあります。地球規模での保全も、まずは一人一人の行動から始まります。今回で11年目を迎える「エコライフ・エコライブさが」。昨年度に続き、これまで取り上げてきた活動を振り返り、意識の高まりを紹介し、さらにその輪を広げていきます。

●●●「白砂青松」を取り戻そう●●●/●●●ボランティア参加が年々活発化●●●

 

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ボランティアで松葉を集める参加者=唐津市の虹の松原

 「地域の宝」である唐津市のシンボル・虹の松原を守ろうと、NPO法人唐津環境防災推進機構KANNE(かんね)が、ボランティアとともに、再生・保全活動に取り組んでいる。「白砂青松」の美しい風景は、人の手が入らず荒廃し、失われつつあるが、昔の姿を再生させようと、年間を通して汗を流す。
 1月21日、前日の雨も上がり、寒空のもと約60人のボランティアが作業に精を出していた。年代は高校生から70歳代までとさまざま。松の生育環境を整備するための松葉かき作業に取り組んだ。
 作業後は一帯に白い砂地が現れた。「白砂青松」と呼ばれるゆえんだ。ボランティアグループ「ゆめさが虹の会」副代表の福山輝男さん(72)は「活動を始めて4年。いつも仲間と楽しくワイワイやりながら松葉を集めている。この風景を未来に残したいという思い」と強調。見渡すとまだ松葉に覆われた場所も多く、実に根気がいる作業である。
 

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上空に虹がかかる虹の松原(2016年12月23日撮影)

●●区画を振り分け 作業効率化図る●●

 KANNEが発足したのは2006年。環境保全、防災、地球温暖化防止、まちづくりなどをテーマに活動を始めた。08年には、虹の松原保護対策協議会から再生・保全活動推進のための母体組織として委託された。中心的役割を果たす中で翌年から、団体や個人で一定の区画を受け持って活動するアダプト方式を導入。8年間かけて登録は210団体6912人(16年末現在)まで増え、輪が広がった。
 しかし活動している範囲は、約4.5キロの幅に約100万本が生育する松原の総面積約220ヘクタールに対して、約56ヘクタールと全体の25%にとどまる。加えてそのほとんどが松原内を横断する県道の北側で、南側は手つかずの状態だ。
 目標とする全域の整備にはまだ数十年かかるとされるが、社会的認知度は高まっている。昨年、KANNEは「地域環境保全功労者」の環境大臣表彰(全国で117件)を受けた。ボランティアのスムーズな人繰りにより定期的に活動を運営し、松原の再生・保全に貢献していることが認められた結果といえる。

●●「かんねまつり」で団体間の連係強化●●

 

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約30団体がブースを出展してにぎわいを見せた昨年の「かんねまつり」の様子

 松原再生に奔走する一方で、KANNEは毎年冬にイベントを実施している。唐津市のアルピノで開かれる「かんねまつり~環境防災ネットワーク博覧会」だ。間伐材の積み木遊びやマイはし作りなど環境を守る活動について学べる場を提供。今回は2月5日に開催する。
 設立当初から開き、例年約1000人が参加。出展団体同士の関係強化の目的もあり、ふれあいの場をつくることで、次への活動の足がかりにしている。
 今後は循環を意識した活動を計画。毎年約1000トンにもなる落ち葉などの活用の一つとして竹に詰めて薪(まき)としての実用化を目指す。現在試作中で、資源を無駄にしないという次のステップにチャレンジしている。
 事務局長の藤田和歌子さん(34)は「人間と自然が共生する大切さを、虹の松原が教えてくれるはず。多くの市民を巻き込める活動にしたい」と夢を語る。子の代、孫の代へ-。地域の宝を守る活動は、地道に、かつ着実に歩を進めている。

 

●●●●プレイバック●●●●

●●●ネットワーク作りに奔走●●●

 

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 KANNEが登場したのは2009年9月29日付。地域のエコ活動に積極的に取り組む若者を「エコイスト」として活躍してもらうために開いた養成講座の一環で、国道203号厳木バイパスの工事現場を見学している場面を取り上げた。
 環境保全活動と合わせて「人材育成」にも力を入れ、07年から3年間で40人のエコイストが誕生した。その後KANNEの会員になったり、イベントを手伝ったりするエコイストも出てきた。現在、講座は休止しているが、「進学や就職で県外に出ることになっても、それぞれ暮らしている土地で、唐津で学んだことを生かしてもらえたらうれしい」(KANNE事務局)。“唐津発”の環境を守る知恵が、彼らのその後の人生に有益になることを願っている。

 

【MEMO】 2月に保全活動 ボランティアを募集

 KANNEは2月26日午前9時から、虹の松原の東端付近の森林浴の森公園一帯で実施する「虹の松原クリーン大作戦」で、松葉かきと草むしりを行うボランティアを募集している。落ちた松葉は、地面の砂を富栄養化させ、雑草や広葉樹が生い茂ってマツの生育を阻害するため、松葉かきは大事な作業。年4回、毎回300人規模で取り組んでいる。道具は貸し出す。飲み物、タオルを持参し、作業をしやすい服装で参加を。虹の松原のマスコットキャラクター「虹松まもるくん」のステッカーをプレゼントする。問い合わせはKANNE、電話0955(80)7060へ。

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