社長あいさつ

中尾清一郎新聞や新聞社は消滅するのでしょうか。電子書籍が普及し、新聞も無料、または極めて安価に携帯端末で読めるならば、新聞不要論もうなずけます。私たち佐賀新聞社は「新聞社」や「新聞づくり」を守ろうとしているわけではありません。世界のニュースや全国ニュースの発信者はたくさんいます。しかしローカル、それも佐賀のような地域競争力の弱い、小さな地方のニュースや情報を、地域の将来を考えながら報道していくのは誰でしょうか。新聞が次々に消滅しているアメリカで起こっていることは、地方選挙の投票率低下、市や町といった身近な行政単位の腐敗です。専門知識を持ったプロのジャーナリストに監視されない行政や組織は必ず自己都合で非効率となり、不採算の仕事や雇用を切り捨てていきます。

 

もちろん、ローカルのメディアが「権力の監視」で警察のように目を光らせているわけでもありませんし、そんな厳めしいメディアや組織に地域の人たちは親近感を抱かないでしょう。私たちはこれからも印刷された紙の新聞をご自宅までお届けします。そこには記者たちが集め分析した記事、信頼できる広告が載り、お得なチラシも配達されます。一方でWebサイトには放送にも負けない速報体制があり、ほのぼのとした地域のコミュニティーを作っていきます。佐賀に住む人たちと喜怒哀楽を共にしていく中で、時には真剣に地域の将来を考え、時には読者や広告主のご機嫌を損ねても主張・批判しなければならない事柄が生まれてくることでしょう。しかし、それも佐賀新聞に携わる私たちが佐賀に住み、逃げも隠れもせずに共通の幸福目標を追求しているという信頼感があれば、認めて貰えることだと信じています。

中尾清一郎