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脳性まひ乗り越え博士号取得へ 佐賀大院生

太宰府市の谷岡稔真さん、音声入力支援システム開発

 

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 脳性まひで肢体が不自由な佐賀大の大学院生谷岡稔真さん(27)=福岡県太宰府市=が工学の博士号を取得する見通しになった。母親に付き添われ、車いすで本庄キャンパスに通って9年。発話障害のある肢体不自由者向けに、音声によるパソコン操作と文字入力を可能にする支援システムを開発し、自身のコミュニケーション手段としても改良に没頭してきた。26日は、このシステムを使って自力で書き上げた論文の公聴会に臨み、称賛を浴びた。

 

 谷岡さんは2001年、「障害者のためのパソコン開発」を夢見て理工学部に入学、05年に工学系研究科に進学し、音声入力ソフト開発に取り組んだ。谷岡さんが発音しやすい単語を「あ行~わ行」と「あ段~お段」に認識させ、組み合わせて入力する考え方。既存のソフトの改良を重ね、介助者なしでインターネットやメールも利用できるようにした。

 

 日本語のほか、英語や数字などの入力モードがあり、谷岡さん以外の人も自分の発音に合わせてソフトが改良できるようにしている。

 

 成果をまとめた論文は本文だけでA4判で59ページに及ぶ。昨年10月から3カ月がかりで書き上げ、要旨を公聴会で1時間かけて発表した。教授や研究室の仲間ら約40人が傍聴し、質疑では「ほかの入力方法と組み合わせれば、より多くの障害者が使えるようになる」などと今後の展開を期待する声が相次いだ。

 

 ままならない体や口の動きで息が上がり、噴き出す汗を母親の雅子さん(54)がタオルでぬぐった。谷岡さんは発表後、「こんなに長く人前で話したのは初めて。緊張で口がからから」と苦笑いしながら「やり切ったので爽快(そうかい)」と笑みを浮かべた。

 

 論文が承認されれば、3月下旬に博士の学位が授与される。谷岡さんの進路は未定だが、「自由なコミュニケーションで障害者が喜びを感じられるように研究を続けたい」。雅子さんも「望むことを支えていきたい」と語った。

 

【写真】博士号取得に向けた論文発表を終え、笑みを浮かべる谷岡稔真さん(右)と母親の雅子さん=佐賀大本庄キャンパス

2010年01月27日更新

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