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「食べログ」訴訟、店の要望受け入れ情報削除

 佐賀市の飲食店経営の男性(32)が、利用客の投稿でつくるインターネットのグルメサイト「食べログ」を運営するカカクコム(東京)に、掲載されている自分の店の情報を削除するよう求めて佐賀地裁で争っていた問題で、両者は15日までに、カカクコムが店の情報を削除し、男性が訴訟を取り下げることで合意した。男性は訴えを取り下げ、情報もサイトから削除された。

 

 金銭の支払いもあったというが、額や詳しい内容は、両者とも公表していない。取材に対しカカクコムは「担当者が不在で詳しいことは話せない」とし、男性も「詳細は話せないが、店を守ることができた」と話した。

 

 男性は昨年7月、無断で店の情報が載ったとして提訴。メニューの写真などが勝手に投稿、掲載され、外装などを変更しても情報はそのままで「店のホームページと食べログの掲載内容との違いを説明しづらく、客に誤解を与える」などと主張していた。

 

 カカクコム側は「投稿者が食事した時点の情報で掲載に違法性はない。最新の情報ではないことの注意書きもしている」などと反論していた。

 

 食べログは登録会員の口コミで構成され、料理やサービスを5段階で評価し、写真も載る。全国約60万の飲食店情報を掲載し、月に約1800万人が利用しているという。

 

 

■ネット時代の新トラブルに問題提起

 

 当初は削除要請を拒否したカカクコム側が記事削除などに応じ、事実上の“和解”となった「食べログ訴訟」問題。ただ識者は「和解や判決という判例を残さず、被害を最小限に食い止めたという意味で、うまい敗戦処理だった」と解説する。

 

 提訴は全国初で、インターネット時代の新たなトラブルとして新聞やネットの掲示板で話題になり、飲食店を支持する声が多かった。

 

 森井昌克神戸大大学院教授(情報通信工学)は「業務妨害や商標権侵害などの判決が出れば、全国の飲食店主が相次ぎ提訴するケースが想定され、このビジネスモデル自体が立ちゆかなくなる」という恐れがあったからだ。

 

 訴訟の持つ意味については「口コミのグルメサイトに対する問題提起となった。掲載する情報を精査し、古くて正しくないものは消すルールを設けるなど情報管理の意識が高まるきっかけになった」と話している。(大田浩司記者)

2011年01月15日更新

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