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風刺漫画家、針すなおさんインタビュー

 辛口の政治風刺漫画家として政治家や芸能人を描いてきた針すなおさん(81)=佐賀市=の特別企画展「針すなお昭和平成を振り返る展」が10月2日から、佐賀玉屋で開かれる。企画展を前に針さんにこれまでを語ってもらった。

 ■旧鍋島家の菩提寺(ぼだいじ)「高伝寺」が実家。似顔絵は子どものころから描いていた。

 似顔絵を描くのが好きだった。友人に「あいつの似顔絵は面白い」と言われ、その気になっていた。漠然と漫画家になりたいとは思っていたが、どうしたらなれるのか分からなかった。

 ■地元で紡績会社、銀行勤めを経験し、東京の出版社に勤めながら漫画家デビューする。

 佐賀高を卒業して大和紡績に1年間勤めた。1957(昭和31)年に漫画家を目指して上京したが、食べていけず帰郷、佐賀相互銀行に勤めた。そろばんができなかったので「経理なんてできるかな」と不安だったが、案の定難しかった。4カ月後、以前訪問していた出版社から「働きにこないか」と誘いを受け、再び上京。4~5年勤めた。その間、系列の雑誌にイラストやカットを描いていた。

 ■週刊漫画など、ほかの雑誌にも漫画を描くようになった。

 読売新聞や朝日グラフといった週刊誌などで1ページものや四コマ漫画を手掛けるようになった。大人向けのナンセンス・ギャグ漫画を中心にストーリー性のある4~8ページものも手掛けたがしっくりこなかった。この程度で読者が評価、満足してくれるかと常に不安だった。

 ■似顔絵に本腰を入れるきっかけには手塚治虫さんが絡む。

 横山隆一さんや清水崑さんらが作った新漫画派集団に属していた。後から手塚治虫さんや赤塚不二夫さんらも入ってきた。ある時、手塚さんが「知人から頼まれたが、似顔絵は苦手なんだよ」と愚痴られた。漫画家は似顔絵なんてすらすら描けると思っていた。あの手塚治虫ですら似顔絵で困っている。ほかの漫画家に聞いても似顔絵が苦手という。「この道なら」と思い、本格的に取り組んだ。

 ■大平政権が誕生した78年ごろから朝日新聞で政治風刺漫画を手掛けるようになった。

 漫画家の小島功さんや山田紳さんらと交代制で描くように依頼された。「社説と違っていい。自由に描いてもらいたい」と言ってもらった。自分の色を出すため誰の作品も手本にしなかった。似顔絵も政治風刺漫画も「ふっ」と笑えるような要素を必ず盛り込んでいる。94年から佐賀新聞にも週1回、漫画を手掛けている。

 ■制作に新聞やテレビが欠かせない。

 毎朝新聞各紙に目を通す。テレビを数台用意し、時間ごとにチャンネルをどんどん変え、気になるニュースを探していく。着想までに数時間かかることもある。ニュースは新鮮さが大事。政治家がへまをしたり、ボロを出したりしていないかチェックしている。100点満点の政治家は漫画にならない。

 ■テレビは録画し、首相や大統領など顔写真をそろえている。

 録画から正面、右向き・左向き、真横などさまざまな角度の中で人物の画像を集めている。政治家の中では、垂れ目でひたいの狭い安倍晋三首相が、特徴があって描きやすい。逆に、つるんとした顔つきだった田中角栄元首相は描きにくかった。作品には、からかいと風刺の精神がないとだめ。本人が見てもニヤリとしてもらえるような作品を心掛けている。ただ、災害や事故がテーマになる時は話題にして傷つく人がいないか気にしている。

 ■今年2月、プーチン大統領が、針さんの風刺漫画を見て大笑いした。

 森喜朗元首相とプーチン大統領とのロシアでの会談を風刺した。柔道着姿の2人が左手で組み合いながらも右手では握手をしている。北方領土問題で大統領が発した談話からヒントを得た。テレビで報道され、大統領が大ウケしたことを知った。

 ■渾身(こんしん)の作品はまだないという。

 金丸信元副総裁が、自分が書かれた風刺漫画を所望し、新聞社を通して作品をプレゼントしたことがある。これまで何千何万枚と漫画を描いているが、「これだ」と思える傑作はない。描いたときは傑作に思えても、翌日新聞を見ると、どこか古く感じ、反省点が見つかる。「良く描けたな」と思える作品はあっても、傑作と思える作品には一生到達できないかもしれない。

 ■テレビの人気番組「ものまね王座選手権」で審査員を務め、辛口の採点でも有名になった。

 芸能人の似顔絵を描いていたので審査員も頼まれた。実をいうと流行歌はほとんど分からないので、厳しい点を付けていた。逆に懐メロは、自費CDを出すくらい好きなので、歌が少しでも変だと、これも厳しい点を付けていた。

 ■合気道8段の腕前。佐賀をはじめ、東京や福岡、埼玉でも道場も主宰。独自の杖術「体の杖」も編み出した。3週間ごとに佐賀と東京を行き来している。

 武道は勝ち負けがすべてのようだが、合気道では逆。争わないことが根底にある。相手といかに調和するか、いかに無駄な力を抜くかが大切だ。道場を構えているので、東京と行き来になるが、ゆくゆくはずっと佐賀で暮らしたい。

▽「傘寿記念針すなお昭和平成を振り返る展」は10月2日から7日まで佐賀玉屋で

 はり・すなお(本名・高閑者順(たかがわすなお)) 1933年佐賀市生まれ。佐賀高(現・佐賀西高)を卒業。佐賀の紡績会社や銀行勤務を経て上京。経済雑誌社勤務の後、漫画家デビューした。佐賀新聞や朝日新聞で政治漫画を連載、産経新聞で政治家の似顔絵を担当している。佐賀市に道場「高伝館」を開き、合気道と杖術を指導。神道夢想流杖術を学び、独自の杖術「体(たい)の杖(じょう)」を編み出した。

2013年10月03日更新
インタビューに答える針すなおさん。手元には、有名人を描いた似顔漫画集「そっくり」=佐賀市の自宅

インタビューに答える針すなおさん。手元には、有名人を描いた似顔漫画集「そっくり」=佐賀市の自宅

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