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民生委員にタブレット 全国初めて実証研究

 佐賀県は2月から、佐賀市本庄地区の民生委員にタブレット端末を配り、高齢者の見守り記録の管理や報告書の作成に活用する実証研究を始める。高齢化や近所付き合いの希薄化によって負担が増している民生委員の仕事のうち、ICT(情報通信技術)で事務作業を効率化して、相談や見守りを充実させる狙い。全国でも初めての研究といい、6月末まで実施し、成果報告書をまとめる。

 研究は佐賀県の発案で、賛同した官民7者の共同で実施する。民生委員の仕事専用アプリは、木村情報技術(佐賀市)が新たに開発。インテルがタブレット端末を、NTTドコモが高速通信回線をそれぞれ無償提供し、日本マイクロソフトが技術的な助言を行う。各企業は「成果を高齢者向けの商品開発に還元させたい」としており、研究の必要経費は全額負担する。

 研究では、本庄地区の民生委員22人全員にウインドウズの基本ソフトが入ったタブレット端末を配布。見守り対象者の病歴、相談内容などの個人情報や自宅の地図情報を端末に入力することで、必要な情報を取り出しやすくなり、手書きの負担も減る。報告書の作成や集計の自動化で集計や引き継ぎのミスを減らせるほか、行政への情報伝達も円滑になるという。また、訪問先で端末を操作して各種行政サービスの最新情報を説明できるようにした。

 民生委員が入力したデータはタブレット端末には保存せず、インターネット上で情報処理する「クラウド」で一元管理し、指紋とパスワードの二重認証でセキュリティーレベルを確保した。管理業者もデータ自体を見ることはできないという。

 県内の民生委員は、昨年12月1日現在で2087人。高齢者や障害者、一人親家庭への訪問や社会福祉の専門機関との連携など仕事内容が複雑化し、佐賀市でも18人の欠員が出るなど、人出不足が深刻化している。対策として、他県ではNPO法人や自治会で民生委員をサポートする取り組みもあるが、佐賀県は研究によってICTによる負担軽減を模索していく。

 研究に参加する本庄地区民生委員の会長で、専用アプリの開発にも関わった石井智俊さん(72)は「1人で200~300世帯を受け持ち、情報管理の安全面に不安があった。パソコンに少しでも慣れていれば、平均年齢66歳の民生委員でも抵抗なく扱える」と話す。

2014年01月16日更新
民生委員に配布されるタブレット端末を手にする石井智俊さん。「仕事の効率化につながるのでは」と期待する=佐賀県庁

民生委員に配布されるタブレット端末を手にする石井智俊さん。「仕事の効率化につながるのでは」と期待する=佐賀県庁


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