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有田焼の陶土製造所跡、泉山一丁目遺跡で発掘

■水槽、水路…工程ほうふつ 13日に見学会 

 有田町教育委員会が発掘調査を進めている西松浦郡有田町の泉山一丁目遺跡で、磁器の原料となる粘土を製造するための「水簸(すいひ)施設」がほぼ完全な形で見つかった。時期的には新しく近代以降のものとみられるが、町内で江戸時代から昭和初期まで使われていた水簸施設の現存例はなく、初めて確認した。町教委文化財課は「これまで絵図や文献でしか知ることのできなかった陶土製造工程と施設の実態を裏付ける貴重な遺構」としている。

 水簸施設は、唐臼で細かく砕いた陶石の粉を水槽に入れて泥水にし、その上澄みだけを何度か別の水槽に移し替えながら、より細かい粒子の粘土だけを取り出して陶土を作る。

 見つかったのは、粘土を取り出すための水槽(2メートル四方、深さ1・4メートル)2カ所と、二つの水槽をつなぐ水路、登り窯の廃材トンバイ(耐火れんが)を利用した砕いた陶石の粉置き場、選別後の粗い“こし砂”の捨て場など。陶土を作り出す一連の作業工程をうかがい知る遺構が極めて良好な状態で残っていた。

 施設の建造時期は不明だが、水槽は床と側面が木製なものの、コンクリートで固められていることから、昭和前期まで使われていたとみられる。

 泉山一丁目遺跡は、県道泉山大谷線の道路建設に伴い、昨年度から隣接する中樽一丁目遺跡とともに発掘調査をしている。中樽遺跡からは釉薬(ゆうやく)を作る際に使った踏み臼など窯焼き工房跡の一部が新たに見つかった。

 両遺跡とも今後さらに古い時代の調査へと掘り進めるため、今回の調査結果を報告する見学会を13日に開く(雨天中止)。午前10時半、泉山体育館前に集合。

 町教委文化財課の村上伸之副課長は「江戸時代から続く陶土作りの様子をとどめる現物を見学できる最後の機会。ぜひ見てもらいたい」と話す。

2014年09月12日更新
磁器の原料となる陶土を作るための「水簸施設」が見つかった泉山一丁目遺跡。手前がトンバイに囲まれた陶石の粉置き場。はしごが架かっているのが水槽の一つ=有田町泉山

磁器の原料となる陶土を作るための「水簸施設」が見つかった泉山一丁目遺跡。手前がトンバイに囲まれた陶石の粉置き場。はしごが架かっているのが水槽の一つ=有田町泉山


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