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電動三輪車(11年11月12日)
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【写真】車いすのまま乗り込んで運転できる電動

三輪車「ホイールチェアビーグル(WCV)=県庁

 車いすに乗ったまま運転できる電動三輪車が、間もなく佐賀県内の公道を走り始める。一人でも簡単に乗り降りでき、道幅の狭い道路まで走行が可能。足の不自由な人にとって、新たな「移動の足」として期待される。

 

 全国のトップを切って佐賀にお目見えする電動三輪車は、車のデザインを手掛けるワイディーエス(本社・神奈川県座間市)が開発した「ホイールチェアビークル」(WCV)。この秋、東京ビックサイトで開かれた福祉機器展でも注目を集めた。

 

▽乗り降り、固定も簡単

 前輪の中にモーターを入れるなどして車いすが乗るスペースを確保した。車いすは後方の2本のタイヤの間をスロープ伝いに乗り込み、レバーで固定する仕組み。アニメの合体ロボットのような感覚だ。


 運転は、バイクのようにハンドルでアクセルとブレーキ操作を行い、バックもできる。家庭用電源で充電できるリチウムイオンバッテリーを2セット搭載し、6時間の充電で約50キロ走行が可能という。最高時速は40キロ。運転するには普通免許が必要だ。 「当社の前には福祉施設があり、社員たちはいつも、車いす利用者がマイカーから乗り降りする人の姿を見ていた。
『もっと気軽に使える乗り物を作れないか』。そんな社員の思いやりの心が、WCV開発の原点だった」。同社の川津和仁さん(31)は、こう開発秘話を紹介する。


 東京モーターショーに展示車を出品するなど最先端のデザインを手掛ける同社だが、
ユニバーサルデザインは全く未知の領域。設計に当たっては、神奈川県総合リハビリテーションセンターの協力を得て、実際の車いす利用者の声を生かした。車いすが乗り込みやすいスロープの角度を見つけ出し、タイプの異なる車いすでも固定できるように工夫した。

 

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【写真】WCVの後輪2本の間から車いすで

乗り降り。介助なしに簡単に乗り降りできる。

▽マイカー頼りの現実

 全国脊椎損傷者連合会佐賀県支部会員の重松良秀さん(45)=三養基郡みやき町=は今年4月、佐賀県庁で開かれたWCV試乗会に参加した。「乗り降りは想像以上に簡単。アクセルの開け方など不慣れな面もあったが、風を切って走る爽快感は格別だった」と、そのときの感想を話した。

 

 足の不自由な人の社会進出には「移動の足」が欠かせない。生まれつき足が不自由で、車いすを利用する重松さんは、高校卒業と同時に自動車運転免許を取得。遠方への移動手段はもっぱら車いす仕様のマイカーだ。「車があるのとないのとでは、行動範囲は天と地の差」。自動車メーカーの努力で福祉車両の車種が増えている現状を喜ぶ。


 その一方で、自宅近くへの移動は一苦労だという。わざわざ車を使うほどでもない距離。車いすで移動した場合、狭い道幅で対向車と遭遇するのが怖い。道路が坂道なら、なおたいへんだ。「遠くへ行くより、すぐ近所に行くのがおっくうだったりする。気軽に乗降でき小回りも利くWCVがあれば選択肢が増える」とWCVの普及に期待を寄せる。

 

▽きょう午前、模擬走行

このWCVのデモンストレーション走行12日午前、佐賀市内の公道を使って行われる(小雨決行)。正午前に同市大和町のイオン佐賀大和ショッピングセンターにゴールする予定。運転手の一人となる重松さんは「将来的にWCVが普通に走る社会になれば。車いす利用者だけでなく、ぜひ健常者の人にも見てもらいたい」と訴える。

 

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県内2カ所で無料貸し出しへ

 

WCVは、佐賀市の佐賀県身体障害者団体連合会と嬉野市の佐賀嬉野バリアフリーツリーセンターに1台ずつ配置、車いす利用者らに無料で貸し出しさる。

問い合わせ)佐賀県身体障害者団体連合会 TEL0952(29)3825

        佐賀嬉野バリアーフリーツリーセンター TEL0954(42)5126

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