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宝塚歌劇団男役スター 朝夏まなとさん(14年7月6日掲載)
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「舞台の魅力発信したい」
その時々を大切に

 一人一人のいろんな夢を後押ししながら、佐賀を元気にしようという企画「さがの未来(あした)へ夢コラボ」。夢を追いかけ、夢をつかんだ佐賀ゆかりの人を訪ね、その生きざまや夢実現へのヒントを語ってもらってきました。2013年8月にスタートした特集紙面の最終回を飾るのは、宝塚歌劇団宙組の男役スター、朝夏まなとさん。佐賀新聞の記事を読んだことがきっかけで、その一歩を踏み出したそうです。

 


■宝塚歌劇団は今年、100周年の節目の年。大地真央さんや真矢みきさんら、歴代のトップスターも参加した記念式典などイベントがめじろ押しです。どんな思いでこの1年を過ごしていますか。

 普段の1年に比べて、めまぐるしく過ぎていると思います。今年舞台に立てるからこそ出会える先輩方も多くて、同じ空間に立つことで、あらためて歴史の重さや先輩方のエネルギーを肌で感じました。もう、これを味わえただけでも「100周年にいて良かった」と。忙しい分、いろんなことをインプットして、そのことが舞台への活力にもつながっています。お祭り的な要素もありますが、これを次につなげないといけない。来年からが大変で、大事なんだなと強く感じています。

 

■2002年に初舞台を踏み、13年目になりました。どんな風に目標を立ててきたのでしょうか。

 1年後とか数年後とか、長期ビジョンを描いていたわけではありません。目の前のことをこなすことで必死でした。その時その時を大事に積み重ねてきて、今につながっている、つなげてきた、という感じでしょうか。今は、自分の中身が成長し、周りから課せられたものに追いついてきたから「期待されている以上のものを出さないと」と思っています。

 

■昨夏は宝塚を目指すきっかけになった「うたかたの恋」全国ツアーのメンバーとして、九州でも公演しました。特別な思いがありましたか。
  この舞台を見て「入ろう!」と思ってほしい-。そう思いながら舞台に立っていました。全国ツアーはいつも、そんな気持ちです。自分が地方出身なので、宝塚や東京に見に行きたいと思ってもそんなに簡単ではないという人が多いこともよく分かるんです。私も舞台を見て感じたことが、宝塚への強い思いにつながった。だから、そんな強い思いを呼び起こす原動力になれるような舞台ができたらいいな、と。

 

■8月下旬からの全国ツアー公演「ベルサイユのばら」で主役を務めることも決まりました。後輩のタカラジェンヌからも目標とされる立場です。今の夢は。

 もっと宝塚が広まること。生の舞台に足を運んでくださる方が増えてほしいです。「見たいけど、どうやって見たらいいか分からない」という人をなくしたいんです。そういう方にとっては出演者の魅力や作品の力がいま一歩、見に行こうとする原動力となり得ていないんですよね。最近、舞台の魅力をどう発信していけばいいのか、よく考えるようになりました。こちらの魅力が伝わりきれていないということなので、伝統を受け継ぎつつ、新しいものにも挑戦していきたいと思います。

 

■佐賀にも舞台人を目指す子どもたちがいます。夢をかなえるために必要なことは何でしょうか。

 「なりたい」と思う強い気持ちでしょう。現代は「無理かも」って思う子が多いとも聞きます。でもそれは他人が判断することで、自分が本当はどうしたいかという気持ちが一番大事でしょう。失敗してもいいじゃないですか。人に迷惑をかける訳でもないのだから、後悔しないように。私は佐賀県から宝塚音楽学校に合格したという記事を見つけ、宝塚への思いを強くしました。最初は「中卒で受けちゃだめ」と言われたけど、高卒で受けてだめだった時、「あのとき受けておけばよかった」って後悔したくないから、親を説得して受けさせてもらいました。そうやって自分の思いを伝えてここに来て「本当に良かった」って思います。

 

=略歴=

あさか・まなと 佐賀市出身。佐賀大学附属中-宝塚音楽学校。2002年春、初舞台を踏む。同年花組に配属され、05年「マラケシュ・紅の墓標」で新人公演初主演。12年、宙組に組替えとなり「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」で主人公の腹心の部下キルヒアイス、13年の「風と共に去りぬ」では役替わりでスカーレットとアシュレを演じる。スタイリッシュなダンスで観客を魅了、芝居や歌にも磨きをかけている。現在、東京宝塚劇場で「ベルサイユのばら-オスカル編-」でアンドレ、ジェローデル(役替わり、27日まで)に出演している。